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- 岸部シローの四郎マンション - 1968年という年
「岸部のロック」は見てもらえましたかね?
この番組のプロデューサーは、
僕も出演した「アイデン&ティティ」という映画のプロデューサーでね。
映画の撮影現場で僕が音楽の話をしていたのを覚えてくれていて、
今回、こういう番組を企画してくれたんです。
僕はぜんぜん覚えてないんだけど、
1968年にアメリカに行っていたときの話を熱弁していたらしくて(笑)。
それがずっと印象に残っていたんだそうですよ。
68年というのは、僕の人生でもっとも充実していたといってもいい年でね。
毎日のようにライブに行って、それ以外の時間はラジオを聞いて、
本当に音楽だけで一年間を過ごしたんです。
現地で出会った演劇をやっている青年と、月40ドルの部屋をシェアしてね。
あの頃のライブというと、夜8時ごろから始まって、
夜中の2時、3時まで、10バンドぐらいやるわけ。
シカゴがまだ学生バンドで出ていたり、デビュー直前のサンタナが出ていたり、
本当にいい時期のロックを経験できたと思うよ。
クリームの解散コンサートも行ったしね。
向こうでお世話になった人たちや、
渡航費をカンパしてくれたタイガースのメンバーには、本当に感謝していますよ。
ロサンゼルスで過ごした19歳の一年間は、僕の原点なんです。
- 岸部シローの四郎マンション - 1968年という年