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- アフリカ—資本主義最後のフロンティア - 琥珀色の戯言
最後に、この本のなかで、もっとも印象に残ったエピソード。
『ホテル・ルワンダ』という映画を観たことがあるのですが、ルワンダという国は、1994年に起きた「ルワンダ大虐殺」で世界に知られることになりました。
人口の8割以上を占める多数派のフツ族と1割ほどの少数派ツチ族。
1994年に政権を握ったフツ族の強硬派が、ラジオなどで人々を扇動したことで、2つの民族の対立が激化し、100日間で80万人以上の人々が犠牲になったと言われています(「今も死者の数は正確にはわからない」ということです)。
ところが、このルワンダは、近年、「アフリカの奇跡」と呼ばれる、めざましい復興をとげているのです。
「過去5年間の経済成長率は、世界でもトップクラスの平均8%」「『世界一短期間でビジネス環境の改革を実現した国』として世界銀行が称賛」「国を率いるカガメ大統領は『CEO大統領』と呼ばれ、『ルワンダはアフリカのシンガポールになる』と豪語」
この急激な復興には、カガメ大統領の就任により、海外から帰ってきたツチ族の力が大きく貢献しています。
しかし、ツチ族が権力を手にしたことで、今度はフツ族の潜在的な不満が高まってきてもいます。
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