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"――ニューヨークでは独り暮らしの高齢者も孤立していないのか。 1カ月ほど前、マンハッタンのレストランへ行った時、隣のテーブルに80代ぐらいの女性が一人でディナーを食べていたので少し話しをした。彼女は時々..."

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――ニューヨークでは独り暮らしの高齢者も孤立していないのか。

 1カ月ほど前、マンハッタンのレストランへ行った時、隣のテーブルに80代ぐらいの女性が一人でディナーを食べていたので少し話しをした。彼女は時々そこに一人で来ているというが実に堂々とし、まったく寂しさを感じさせなかった。

 そしてウエイターや周囲のお客さんも、「お年寄りが一人寂しく食べている」というような目でみることなく、自然に接していた。だから、マンハッタンには独居者が多くても、孤立する人は少なくないのだろう。

  この問題に対応するにはまず、「高齢者は一人でレストランへ行くべきではない」というようなステレオタイプの考えを改めなければならない。一人で社会生活 を楽しみ、正しいことをしている高齢者を変な目で見るのはおかしい。米国でも地方へ行くと、そのような目で見る人は少なくない。

 欧州の国々では、高齢者と他の年齢層(子供を含む)が普通に交流している。これによって独居高齢者が孤立することなく、楽しく長生きできるのである。

――米国人高齢者は子供や孫がいても一緒に住もうとしないのはなぜか。

 子供たちに老後の世話など負担をかけたくないということもあるが、それ以上に彼らは自由、自立を大切にしたいという気持ちが強い。これは長年にわたる米国の文化、伝統である。

 でも、別々に住んでいても彼らは子供や孫と時々会って話をしたり、食事をしたりしているので寂しくはならない。

 日本では子供夫婦や孫と同居している高齢者の方が独居高齢者よりも自殺率が高いそうだが、それはなんとなく理解できる。家族といっしょに住んでも、友人や他の社会的ネットワークをあまりもたない高齢者は孤立しやすいからである。



- 都会の人間関係砂漠説は嘘だ――ひとり暮らし世帯3割超えの日本がニューヨークに学べること ロバート・サンプソン ハーバード大学教授|World Voiceプレミアム|ダイヤモンド・オンライン

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