"　むかしもいまも、上野オークラ劇場の特長のひとつは「365日、朝まで無休でオープン」という、すさまじい上映体制である。ピンク映画は1本がそれぞれ1時間という枠組みで作られているのだが、オークラ劇場では毎..."

　むかしもいまも、上野オークラ劇場の特長のひとつは「365日、朝まで無休でオープン」という、すさまじい上映体制である。ピンク映画は1本がそれぞれ1時間という枠組みで作られているのだが、オークラ劇場では毎週3本の映画が、朝10時過ぎにスタート、翌朝5時までノンストップで上映されつづけているのだ。それは漫画喫茶がなかった時代の、元祖とも言うべき存在でもあったのだろうか。

　 「うちに来てくれるのは、ほんとにいろんなひとがいるんです」と齋藤さん。もともと年配のお客さんが多いのだが、「そういうなかでも、毎日来られる方もいるんです！　その次は、週に半分くらい雨が降らなければ来るよという人たちがいて。雨だとおじいちゃん、外出るのが気が進まないんで。その次が、週に1回番組が替わってるんですけども、番組が替わるたびに週いちど来る方っていう感じですかね。そういう方たちに支えられてるので、新館はバリアフリーにしましたし。バリアフリーなんてピンク映画館では唯一ですよ（笑）」。実際、旧館の入口には3段ほどの石段があったのだが、それがひとりでは上れなくて、「スタッフが抱えたり、おんぶして入館を手伝うお客さんもいましたから」。