“朝起きて、朝ご飯食べて、地下鉄に乗ってという日常を淡々と歌いながら、誰もが感じる〈このままじゃ駄目だ、何とかしないといけない〉という日々の苛立ちをマイケル・スタイプは見事に歌にしてくれています。何千万枚もCDを売っているロックスターに日常を生きていく辛さを歌われても、本当は嫌味なだけなんだけど、R.E.M.だけは別なんです。僕がずーっとR.E.M.を聴き続けるのはこれなんですよ。彼らはずっとロックスターにならなかったのです。僕らと同じ視線で苦しみ続けているのです。カート・コバーンが遺書を書いている時に『Automatic For The People』を聴いていたのは、そういうことをやり続けられたR.E.M.への憧れだったんだと僕は思います。バンドがデビューしてからも、ギターのピータ・バックは地元アセンズのレコード屋でバイトというか、普通の感覚をなくさないために店に出ていました。バイト代としてレコードを貰っていたそうなので、真剣に働いていたんじゃないと思いますが、僕はそういうところが好きです。”
- 僕らと同じ視線で苦しみ続けるロックスター、R.E.M. - 連載 - TOWER RECORDS ONLINE
- 僕らと同じ視線で苦しみ続けるロックスター、R.E.M. - 連載 - TOWER RECORDS ONLINE