“たとえば社会との関係を築くという意味で、ワークショップなどを行なう美術館があったりアーティストがたくさんいますが、すべてとは言いませんがそこにはおかしなことも起きている。そこではアートは地域社会との交流を目的とした手段になっているわけです。この例を出せばわかりやすいと思うのですが、アートをなにかしらの目的の手段として使うとはこのこととおなじです。「この絵を見つめていると一週間でみるみる目が良くなりますよ」とうたわれている絵があったとします。これはかなりうさんくさいですよね。アートを使って地域社会との交流をうたうワークショップも、根っこはおなじです。アートはアート自体が目的なのでそれだけでいいと思うのです。アートは多くのひとにわかってもらえるものだとは思うけど、多くのひとに必要とされるものではないのかもしれない。最近の風潮では、みんなにわかってもらうためにはむずかしいことはダメみたいな、レベルを下げなきゃいけないみたいな、あるいはほかのジャンルの要素をすこし入れて「面白いでしょ、わかるでしょ」って感じで、いわば水増しして薄めたような作品が多いですよね。本気の作品を見せればいいんですよ。アーティストがアートを信じないでどうするんでしょうね。それがアーティストが社会に対峙するということだと思います。”
- TS6 : 田中功起 - Tokyo Source (via nanospectives)
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