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- 佐々木俊尚 現地レポート Vol.3 原発の暗い影を乗り越え、新しい「復興のグランドデザイン」を描くために 特別寄稿 そこに日本の未来はあるのか | 日本の底力 | 現代ビジネス [講談社]
この幹部職員は、詠嘆した。「福島第一原発さえなければ、今ごろ『復興の槌音高く』って希望を持って語ってたはずなんだけどね・・」
被災地を元通りに戻すのが「復旧」で、新しくデザインしなおすのが「復興」だとすれば、今回の「原発込み」の震災は、もう復旧は遠く望めない状況になって しまっているということなのだ。だとすれば、別のかたちでの復興を考えるしかない。全体最適化のためのグランドデザインが今こそ求められているのである。
幹部職員に「グランドデザインをどう見る?」と聞いてみると、彼は「東北独立しかないでしょうね」と言った。
「独立!?」と驚く私に、彼は笑って「独立というのはちょっと言い過ぎだけど、要するに香港やマカオみたいな一国二制度が必要ということ。たとえば関税を 安くするとか、空港を24時間化するとか、ギャンブルとかカジノを解禁するとか。そのぐらいしないとダメだと思う。特区という限定的なやり方じゃなく、法 律さえも東北では別のものにしてしまうぐらいにドラスティックなことをやらない限り、復興はあり得ない」
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